それは、いつものように夕食の準備をしていた時のことでした。排水管つまりで配管を交換した桶川ではふとシンクの下に目をやると、床材の色がいつもと違うような気がしたのです。よく見ると、ほんのりと濡れているではありませんか。慌ててキッチン水栓の根元を確認してみると、じっと目を凝らさないと分からないほどですが、確かに水栓本体とシンクの間から、微かに水が滲み出ているように見えました。最初は「気のせいかな?」「何かこぼしたかな?」と思ったのですが、しばらく様子を見ても、濡れている範囲が少しずつ広がっていくのを見て、これはまずい、と事の重大さに気づいたのです。キッチン水栓の根元からの水漏れ。聞くことはあっても、まさか自分の家で起こるとは思っていませんでした。 インターネットで「キッチン水栓 根元 水漏れ」と検索してみると、多くの情報が出てきました。どうやら、この根元からの水漏れは、意外とよくあるトラブルのようです。原因として最も多いのが、水栓内部のパッキンやOリングといったゴム部品の劣化だということが分かりました。これらは長年使っているうちに硬くなったり、すり減ったりして、水が漏れる隙間を作ってしまうのだそうです。他にも、水栓本体をシンクに固定しているナットが緩んでいる場合や、水栓内部のバルブカートリッジが故障しているケースもあるとのこと。中には、水栓本体自体にひび割れが入っているという、なんとも恐ろしい原因もあると知りました。 まず私が試したのは、止水栓を閉めることでした。キッチンのシンク下にある扉を開けると、水栓につながる給水管と給湯管にそれぞれ止水栓が付いています。ドライバーを使って、両方の止水栓をきっちり閉めました。これで、少なくとも水漏れがどんどんひどくなることは避けられるはずです。次に、どこから水が漏れているのか、もう少し詳しく観察してみました。私の場合は、水栓本体の一番下の部分、シンクに接している部分から水が滲み出ているようでした。水栓を固定している大きなナットのようなものも目に入りました。もしかしたら、これが緩んでいるだけかもしれない、と思い、モンキーレンチで少し締めてみましたが、固くてびくともしません。むしろ、無理に力を入れて壊してしまったら大変だと思い、それ以上の作業は止めました。 自分で修理できないかと、パッキン交換の方法などを調べましたが、どうやら私の家の水栓は構造が少し複雑なタイプらしく、分解するのも難しそうでした。また、パッキンだけでなく、バルブカートリッジの故障という可能性もあることを考えると、素人が中途半端に手を出して、さらに状況を悪化させてしまうリスクを恐れました。水漏れを放置しておくと、シンク下の収納がダメになったり、床が腐ったり、カビが生えたりするという情報を見て、これは一刻も早く専門家に見てもらう必要があると判断しました。自分で直すのは費用が安く済むかもしれませんが、確実に、そして安全に修理するには、やはりプロに頼むのが一番だと考えたのです。 早速、インターネットで地元の水道修理業者をいくつか探し、電話で問い合わせてみました。状況を説明し、見積もりを依頼したい旨を伝えました。業者によっては、電話である程度の概算料金を教えてくれたり、現地調査の見積もりは無料だったりするところもありました。複数の業者に見積もりを依頼し、料金だけでなく、対応の早さや丁寧さ、作業内容の説明が分かりやすいかなどを比較検討しました。最終的に、説明が丁寧で、見積もりも明確だった業者に依頼することにしました。 来てくれた担当者の方は、すぐに水栓の状態を詳しく調べてくれ、原因は水栓内部のバルブカートリッジの劣化にあると診断しました。パッキンだけの問題ではないとのこと。幸い、水栓本体の交換までは必要なく、カートリッジ交換で修理できるということでした。部品の手配に少し時間がかかるとのことでしたが、数日後には無事に部品が届き、手際よく交換作業をしてもらいました。作業後、水栓の動作を確認し、水漏れが完全に止まっていることを自分の目で見て、ようやく安心することができました。今回の経験を通じて、水回りのトラブルは小さなサインを見逃さないこと、そして無理に自分で直そうとせず、適切なタイミングで専門家に頼むことの大切さを痛感しました。あの時の小さな水漏れを見過ごさず、すぐに行動して本当に良かったと思っています。